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2018年5月14日 (月)

「おかぶと(かなかんぶつ)」いろいろ!

こんにちは。

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平成30年5月21日(月)まで、安藤家住宅では端午の節句の展示が行われていますが、先日、ニュース映像でその様子をご覧になった市内の方から、現在お持ちの「おかぶと」を寄贈したいとのお申し出をいただきました。

大きさも様々な合計8点のおかぶと(かなかんぶつ)のモチーフはそれぞれ違い、代表格の武田信玄だけでなく、天狗や役者、源氏の大将たちといったようにバラエティーにも富んでいます。

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甲州独自の節句飾りの代表格であるおかぶとは、江戸時代に甲府の問屋が独自に作り始めた地細工物です。


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このおかぶとの製作技術は、二月の若草十日市での名物である、甲州だるまの製作と繋がっています。




Img20180424_13554205_2本来のおかぶとはかつて、このような飾り方をされたようです(上野晴朗「やまなしの民俗」による)。

しかし、この図にある「まえだち」の部分を構成する「おうしょう」「くわがた」の部品には、なかなかお目にかかれません。

 おそらくこの部分は、「たれ」と同じく、紙製だったのではないでしょうか。

 推測するに、大事に保管していたお宅でも、しだいに当初の飾り方を簡略化し、「まえだち」の部品の存在が忘れ去られて、蔵の隅に置かれるうちに、時が経て埃をかぶって紙屑のように見え、そのうち捨てられてしまったのかもしれません。

 もし、お宅のお蔵や屋根裏で「おかぶと」を発見した際には、まわりにある紙切れのようになっている物体も大事にとっておいて見せてくださるとうれしいです。おかぶとの「まえだち」の部分かもしれませんよ。

 

 寄贈者の方からは「今まで家で飾っていたが、これからは、安藤家住宅で展示して、この飾りがどんなものか、多くの人に観てもらいたい」というありがたいお言葉をいただきました。

 

 来年の安藤家住宅での端午の節句飾りをぜひご期待ください。バリエーションが増えて、おかぶと(かなかんぶつ)って、「武田信玄だけじゃなくて、いろいろあるんだ!」とか、「本当はこんな風に飾るのね!」とか、「大きさもいろいろあるのね!」等、来場した皆さんに、毎年来ても新たな発見をしていただける展示になりますように!構想が膨らみます。

 

 

 

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