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2018年11月15日 (木)

柿の屋外干しシーズン到来!

こんにちは、みづほです。

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 市内での干し柿生産が最盛期を迎えています。

←上高砂にて(平成30年11月8日撮影)

いま八田・白根地区を歩くと、いたるところで柿剥きが行われています

そのそばには、剥きあがった鮮やかなオレンジ色の柿が可動式の棚に吊るされて、硫黄燻蒸室に順々に運ばれるのを待っています。

Dsc_3732 周辺の露地にまで、柿の上品な甘い香りがほのかに漂ってきて、思わず「ふぅー、すぅー」と深呼吸。

季節感あふれる秋の空気で肺も心も満たされ、うれしくなります。

下高砂にて(平成30年11月8日撮影)

Dsc_3747 ←下高砂にて(平成30118日撮影)

Dsc_3667  9月の終わりころから空調管理の整った屋内での乾燥が始まっていた南アルプス市域での干し柿生産ですが、11月に入ってからは屋外の干場にようやく柿が吊されるようになりました。

←西野にて(平成301025日撮影)

町中を歩き回れば、鮮やかなオレンジ色の柿があちらこちらで目に入り、その美しい光景に心癒されます。

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きょうは、〇博踏査の途中で撮りためた柿の風景をご覧いただきたいと思います。

←下高砂にて(平成30年11月8日撮影)


これらの干し柿生産の様子は、南アルプス市のまちなかを11月~12月のはじめ頃に歩けば、普通にあちこちで出会うことのできる風景です。

別に観光地でもなく、いつもの集落の道だけれども、このシーズンばかりは山の紅葉景色にも負けないくらいに美しい。

そう感じるのは、この地に住む人々が特に柿という果実とともに、生き抜いてきた歴史を知るからかもしれません。

Img20180808_16263615 江戸時代以前より、米の取れないこの地に住んできた人々は、籾と交換するために敷地の境に柿を植え、これを加工して籠に詰め、釜無川の東側にわたって野売りしました。

←昭和初期まで行われた柿の野売りの籠(功刀幹浩家アルバムより)

Dsc_3636 ←今諏訪にて(平成30年10月23日撮影)

加工の仕方や販売方法は時代とともに変化しましたが、現在も当地では、あんぽ柿や枯露柿など渋柿類の加工が盛んにおこなわれています。

Dsc_3762←上八田にて(平成30118日撮影)

庭先に大量の柿を積み上げ、軒先や庭の作業小屋内で盛大に皮を剥いています。

Dsc_3974_2 Dsc_0012 下高砂にて。上段部分だけ吊るされている。(平成30年11月15日午前10時撮影) と、昨年同日の下高砂同地点にて撮影したもの。昨年はすでに下段にも吊るされていた。(平成29年11月15日午前10時撮影)

 

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そして、八ヶ岳颪によく当たるように屋根より高く設けた干し台に運ばれた柿が揺れる風景はこの地で連綿と受け継がれてきた歴史的な景観といえると思います。

←下高砂にて(平成30年11月8日撮影)

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