花卉栽培ハウスに揺れる青い紙
こんにちは、みづほです。
源小学校6年生の地域学習に同行して(平成30年11月22日に)、有野の花卉栽培農家(有限会社桜本カスミ園さん)を見学させていただきました。
白根地区の北西部にある有野周辺では、昭和20年代終わりまでは米麦栽培と養蚕が収入の柱でしたが、昭和30~40年代にかけて、米麦栽培に代わってスモモ栽培や菊花の栽培が行われるようになります。
その後、花卉栽培に関しては、山梨県内屈指の大規模な施設園芸が展開され、切花だけでなく、シクラメンやシンピジウムなどの鉢植えの花の出荷が現在も盛んに行われています。
桜本さんは二十歳の時(昭和48年)にアメリカへ農業研修に行き、花卉栽培を勉強しました。
帰国後は、種苗販売会社に就職したのち、昭和50年代に独立して、切花のカスミソウを出荷する花卉(かき)農家になりました。
それまで桜本家では、有野地区では一般的であった米麦栽培と養蚕を行っていました。
切花であるカスミソウの栽培・出荷に成功した桜本家では、その後、長野ではじめられた水耕栽培の技術も取り入れて、鉢植えのシクラメンとナデシコを主力とする栽培へと転換したそうです。
見学させていただいたシクラメンの花の出荷は、11月初めから「ガーデンシクラメン」と呼ばれる小ぶりのものより徐々にはじまり、鉢の大きな立派なもの等は12月25日前後のクリスマスまでがピークだそうです。
色とりどりの美しいシクラメンの花々に見とれて、写真を撮っていると、その上に所々にぶら下がっている青い短冊のような紙が気になりました。近づいてみると、大きさ1ミリほどの黒い点々がいっぱいくっついています。なんですか?これは?
←子どもたちに交じって質問してみたところ、シクラメンの花や葉っぱの表面をかじりながら吸汁する害虫「アザミウマ」を捕まえるためのトラップだったことがわかりました。
青い紙に透明な両面テープを表裏に貼ってあるだけだそうで、あの「〇キブ〇ホイホイ」と同じ原理ですね、たぶん。
鮮やかな青い色に惹かれたアザミウマが飛んできて止まったら、くっついちゃって逃げられなくなるわけです。ちなみに、アザミウマは黄色も大好きだそうですよ。
アザミウマの性質を利用した農薬を使わないエコな害虫対策だなぁと感心しました。
帰りには、源小の子供たちと私にもガーデンシクラメンをプレゼントしてくださいました。
ありがとうございました。
大切に育てています。
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