南アルプス市産キウイの収穫
こんにちは。
きょうは、昨年の10月31日から11月初めにかけて取材させていただいた、櫛形地区上宮地の果樹農家、野田家でのキウイ収穫・出荷作業の様子をお伝えします。
10月の半ばに上宮地区内を踏査中にお会いした果樹農家のシュンゾウさんに、10月の最終土日に家族総出でキウイの収穫作業を行うとお聴きして、当日の朝、張り切って取材にうかがった〇博調査員です。
シュンゾウさんのお孫さんに、収穫中の農園に案内していただいて、目の前に広がる農園を見渡すと、たわわに実った、すずなりの「ゴールデンキングキウイ」の迫力に、まず圧倒されました!
おおきくて立派な実が棚の下にたくさんぶら下がっています。ゴールデンキングキウイは、黄色い果肉で酸味の少ない最近流行の品種で、野田家では今から15年ほど前(平成17年頃)から生産しているそうです。
例年、シュンゾウさんが熟期を見極めて収穫日を決め、号令がかかると、家族と親族、加えて、近所にお手伝いさんを何人か頼んで、二日間で一気にすべて収穫するそうです。
水はけの良い斜面地に棚づくりされたキウイを、ハサミを使わずに、手で優しくつかんだ実を茎との付け根のところでキュッとねじるようにして、端からきれいに全部収穫していきます。
収穫そのものはそれほど難しくありませんので、お孫さんも含め、家族全員、笑顔こぼれる和やかな雰囲気で、作業がすすめられていました。
←シュンゾウさんがキウイを栽培しはじめたのは昭和30年代の終わりごろ。養蚕農家だった父母から独立して、ニュージーランドから苗を仕入れ、「ヘイワード」という緑色の果肉のキウイの栽培をはじめました。同じ南アルプス市内におけるキウイ栽培では昭和時代に多くの出荷量を誇った八田地区が知られていますが、昭和49年に米の減反政策により栽培を開始したとの記録がありますので、シュンゾウさんのキウイ栽培への参入は、南アルプス市域では、最も早い時期に行われたといえます。
その後、キウイは昭和時代終わりごろから全国各地で栽培が開始されたため、生産過剰により価格が暴落し、シュンゾウさんは、キウイ「ヘイワード」栽培を一時止めて、スモモの「貴陽」とビワのハウス栽培に転換しました。 さらに、ブドウの「シャインマスカット・ゴルビー・藤稔」へと、時勢に合わせて主栽培作物を換えて、15年ほど前に再び黄色い果肉のキウイ「ゴールデンキング」を植えました。
現在の野田家では、ブドウとキウイが主力になっており、加えて春先はハウス栽培のタラの芽も出荷しているそうです。
以上のような野田家の栽培歴を教えていただくと、シュンゾウさんの経営の流儀にもやはり、西郡の果樹農家らしく、技術力+「進取の気性」という構図が見えてくるような気がします。
← 従来のコンクリート製の柱の重さを利用して針金のメッシュを張る昭和の甲州発祥の葡萄棚
←こちらは、シュンゾウさんが仕立てたパイプ製のブドウ棚
山梨でのキウイ栽培のほとんどは、このブドウ棚と同じ設備を利用しています。 シュンゾウさんは現在数少ない、コンクリート製の支柱を使った昭和の葡萄棚を造ることのできる技術保持者であります。シュンゾウさんのように葡萄棚を造る技術を持つ人は発祥の山梨県内といえども、昭和時代でもそれほど多くはいなかったそうで、南アルプス市内全域に加え、北巨摩郡方面にまで頼まれて造りに行ったそうです。
しかし、現在では技術者の減少とともに、軽量で労力がかからず技術もいらないパイプ製の棚の設置が増えているのだとか。ただ、パイプ製の難点は材料コストが高くなることだそうです。
〇博調査員は以前から、「ぶどう棚をつくれる職人は、いまはミヤジ(宮地)に住むシュンちゃん(シュンゾウサン)くらいしかいないと思う」といろんなところから聴いていたので、ご本人にお会いできて、取材までさせていただき、恐悦至極でございました。感謝申し上げます。
次回は野田家キウイの収穫後の選別作業の様子をお伝えしたいと思います。
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