「戦争と にしごおりの人々 ー〇博収蔵資料からー」テーマ展
こんにちは。 現在、南アルプス市ふるさと文化伝承館1階では、令和3年度第1回テーマ展「戦争と にしごおりの人々 ー〇博収蔵資料からー」が開催中です。会期は、令和3年7月2日から9月29日です。(木曜休館 ※但し、7月22日木曜祭日は開館し、その代休として26日月曜が休館となります)
今回のテーマ展示では、南アルプス市ふるさと○○博物館事業によって収集した、若草地区出身の志村氏の資料を軸に構成しました。
農林高校を出て養蚕を生業としていた若者は、戦争という時代に巻き込まれたことにより、農地を玉幡飛行場建設のために無くします。そして、昭和10年代に飛行場建設技手としてアリューシャン列島に赴き、帰還後はロタコ建設に従事しました。その足跡をスケールとして関連する資料を紹介していきます。志村氏の20歳代の足跡をたどると、にしごおり(現在の南アルプス市域)の人々が、戦争という時代をどう生きたかについて考えさせられるきっかけとなると思います。
←「戦闘機「隼(キー43一式戦闘機)」の部品」(南アルプス市教育委員会所蔵)
テーマ展の入口に、ドドーンと、戦闘機の隼(はやぶさ)の機体の一部を置きました。終戦後に市内甲西地区の方が、素材のアルミの再利用を考えて、軍から払い下げを受けて保管していたものです。 来館者の皆さんには是非触っていただき、当時の日本軍の飛行機がどんなだったかを想像していただきたいと思います。
また、現在の南アルプス市域から従軍し、残念ながら故郷に戻ることのできなかった多くの人々の戦死地を世界地図に年毎にマッピングした資料や、終戦間際に、にしごおり住民の多くが建設に動員されたロタコなども紹介いたしております。展示資料の総数は100点以上にもなりました。
←今回の展示解説キャラクターの「太郎さん」と「道子さん」です。
←「志村氏の従軍日誌と伝単桐一葉など」従軍日誌は複製があり、手に取って読むことができますよ!
特に、志村氏が極北のアリューシャン列島の島々に飛行場建設技手として赴いた際の資料群は、アメリカ軍が日本兵の戦意喪失を狙って飛行機からばらまいたビラ「伝単(でんたん)」、現地民であるアリュート人との交流を撮した写真、捕獲した狐の毛皮でつくった襟巻、志村氏の素直な気持ちを吐露した従軍日誌などを含み、一人の青年の戦地体験を雄弁に語るものです。
←「国策紙芝居6点」 紙芝居の内容をご紹介する企画を行うかも♪
極北の島から奇跡的に生還した志村氏は、その後、南アルプス市域の人々が多くかかわったロタコ(御勅使河原飛行場)の建設に関わっており、志村氏の戦争体験を追うことは、にしごおりの人々と戦争との関りを知ることにつながります。
どうぞ、身近なおじいちゃんの戦争体験を教えてもらうような気持で、展示をご覧いただきたいと思います。お待ちしております。
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