東南湖で見た籾殻焼き
こんにちは。
先週、甲西地区東南湖の踏査に行きました。 東南湖地区は市内最南東部に位置し、釜無川沿い西側に南北の長い土地を持つ地区です。甲西ふれあい公園に車を停めて、横川から分流して西川がはじまる地点に行き、そこから下流に向けて、西川沿いに歩きはじめました。
西川より西(右岸)には田地が拡がっています、左岸側には平行するように河内路が通っています。 ←河内路が和泉集落方面の道と分岐する地点にある東南湖の石尊大神(西川左岸)(令和3年11月25日)
←石尊大神の場所から西川に沿うように道が下流に続いていくので、この水辺の道を歩き進めると、すぐにある東屋のある休憩場所。
←ちょうど東南湖の八幡宮の裏手(西側)にあたる場所で鴨たちが休んでいた。(令和3年11月25日)
←籾殻焼き現場に遭遇! 西川が富士桜公園にさしかかる手前の交差点をちょっと右(西方向)へ曲がると、煙がモクモク、畑に3本の煙突がたっているのが見えました。(令和3年11月25日)
昨今ではめったに見かけなくなった籾殻焼きの作業の場面に出くわしましたので、写真を撮らせていただきました。 籾殻に埋まっているこの煙突の根本の方は笠のように広がっていて、籾殻をいぶし焼きして籾殻くん炭をつくっています。
出来るだけ無酸素の状態で温度を上げ、炭化(いぶし焼き)させています。籾殻はただ燃やしてしまうと、白い灰になってしまうのだそうです。
出来上がった籾殻くん炭は、畑の土に混ぜると、土壌の栄養素が増したり、土質がふかふかになるなど、作物栽培に様々な効果のある優れた土壌を作り出してくれるそうです。
籾殻焼きは、20年くらい前までは、南アルプス市南部の田方(たがた)で、この時期になればよく見かけた光景だったと思うのですけれど、〇博調査員もその時はまだ若くて無知で、「いらなくなった籾殻をただ燃せば肥料になるんだろう」ぐらいにしか思っていなかったです。ほんとうに恥ずかしいです。
焼く前の籾殻自体にも畑にまくことで土壌改良力があり、その他、緩衝材や断熱材、吸湿剤などの用途に使われてきたことは知っていました。古い雛人形の中に詰め物として入っているのに気づいたこともあります。
しかし、「籾殻焼きがあえて籾を燃やして化学変化を起こさせて、土壌に有益なものを作り出す為の重要な作業であった」、ということを見落としていたのにいまになって気がつきました。
撮影にご協力くださった秋山さんは、近くの南湖小学校の子供たちの稲作体験にもご協力くださっているそうで、出来上がった「籾殻くん炭」は苗床をつくる予定の畑の土に混ぜる予定だそうですよ。
籾殻焼きを見せていただき、秋山さんに籾殻燻炭の使い道を教えていただいた後は、また再び西川沿いの道に戻って歩き始めました。 ←富士桜公園の脇を通る西川(令和3年11月25日)
←富士桜公園の東側にある門と石碑:かつてここは南湖有泉酒造家のあった場所です。この門前で記念撮影などいかがでしょうか?
←長久寺付近の西川ほとり(上流に向けて撮影・令和3年11月25日)
←観音橋付近:西川が河内路を横切って、後に合流する釜無川方向に進路を変える地点(下流に向けて撮影)
←河内路を渡ったあとの西川の行く手(三郡橋方面を撮影)(令和3年11月25日)
今回は甲西ふれあい公園(やまなみの湯)の駐車場から歩き始めた東南湖踏査のうち、西川沿いを歩いた部分を一部ご紹介しました。
勾配もほぼ無いばかりか適度にゆっくりできそうな休憩場所もありますし、何よりも水辺を歩くのはとても気持ち良かったです。
皆さんもたまにはお散歩コースの遠征をしてみたらいかかでしょうか? 運がよければ、南アルプス市の河川が集まる場所であり、田方(たがた)の東南湖ならではの作業や風景に出会えるかもしれません。
帰りに日帰り温泉で温まって帰れますしね。地味におすすめです。
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