昭和34年災害と敷島町(現甲斐市)
こんにちは。
南アルプス市教育委員会文化財課所蔵の昭和34年災害資料より、今回は敷島町(現甲斐市)の被害状況写真をご覧いただきたいと思います。昭和34年災害とは、大水害を起こした第7号台風と強大な暴風雨で県内の藁ぶき屋根の家々をことごとく吹き飛ばし破壊した第15号台風(伊勢湾台風)が立て続けに襲いかかり、昭和34年8月から9月にかけて甚大な被害をもたらした一連の災害のことを言います。
敷島町でも暴風による家屋の倒壊被害が多く発生した模様です。昭和41年発行の敷島町誌には7号15号台風被害記述と写真が掲載されており、その中に今回〇博で収蔵したものと同じ画像が3点ありました。なお、南アルプス市文化財課収蔵資料には、敷島町誌に未掲載の敷島町被災画像が20点ほどあります。
←飯野東条家資料5-1・2「敷島町第15号台風被害状況」(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)
←1「隆興院(ここには5世帯入居していた)」飯野東条家資料5-1敷島町(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)
: 地点は現甲斐市島上条1318 ←2「笠屋神社(倒壊した神殿)」飯野東条家資料5-1敷島町(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)
: 地点は現甲斐市中下条1290 ←3「敷島小学校(惨状を呈した)」飯野東条家資料5-1敷島町(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)
: 地点は現甲斐市島上条212 敷島町誌によると、敷島小学校はこの時改築中で、上棟直後に15号台風の被害に遭ったということです。さらに町誌記述を引用すると、当時の『窪田町長はその倒壊を心配して一晩中その柱に抱きつかんばかりにして防護につとめた結果、幸いにも台風の難をのがれることができた』!!らしいです。 ←4「三和電線KK(機械工場が三棟倒壊した)」飯野東条家資料5-1敷島町(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)
:地点は現甲府市荒川2丁目15-1(旧古川電工山梨工場跡→現聖教新聞山梨支局) ←5「宝珠寺(吹き飛んだ屋根)」飯野東条家資料5-1敷島町(南アルプス市教育委員会文化財課蔵)
:地点は現甲斐市大下条1092
昭和34年は今から65年前のことですので、現在70歳代以上の方でないとご記憶にないと思います。建物が吹き飛ばされるほどの強風を経験したことがない人が大半となり、台風被害の恐ろしさへの記憶が薄れる中で、自分たちの住んでいる場所が過去にこのような災害に見舞われたことを認識し、備えることは大切だと思います。
近いうちに、地図上で地点を確認しながらこれらの画像を見られる〇博アーカイブにも掲載しますので、ぜひそちらの方でもご覧になってみてください。
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